iPhoneが遂におサイフケータイに?ドコモが出した「おサイフケータイ ジャケット」は果たしてソフトバンクの「電子マネーシール」と違う道を歩めるのか?
iPhone6にApple Payは搭載されたものNFCとFeliCaは仕様が違うため現在日本でスタンダードで使われている「おサイフケータイ」では利用することができません。そんな中で、ドコモから専用ケースとiPhoneアプリを通じておサイフケータイ機能を利用できる「おサイフケータイ ジャケット01」が発表されました。専用のケースを付けなければならないのは正直煩わしいですが、お財布ケータイをiPhoneでどうしても使いたい!と思っていた人にとってはグッドニュースかと思います。
Felicaチップ付き専用ケースとアプリを使っておサイフケータイ機能を実現
ハードウェア内にFelicaチップが内蔵されているわけではないので、専用ケースを付けなければなりませんが、専用アプリ「おサイフリンク」をダウンロードすればFeliCaチップとBluetooth経由でやりとりをして、おサイフケータイ機能を利用することができます。対応ケースは「iPhone5S」「iPhone6」向けモデルのみ対応とのこと。2014年10月下旬に発売予定で、価格は5000円程度になるようです。
ドコモ以外のキャリアのiPhoneでも使える!でもモバイルSuicaは使えない?
専用ケース側はキャリアを選ばないので、auやソフトバンクなどドコモ以外のキャリアでも使えます。そして、気になる対応しているサービスは下記の通りです。
企業様名 サービス内容 対応時期 全日本空輸株式会社 「スキップサービス」
国内航空券の予約・購入・座席指定をお済ませいただいたお客様が、空港で搭乗手続きをせずに直接保安検査場にお進みいただけるサービス。10月下旬予定
(発売日)株式会社ヨドバシカメラ 「ゴールドポイントカード」
ヨドバシカメラのレジでかざしてポイントをご利用いただけるサービス。ポイント残高の照会や利用履歴の確認も可能。10月下旬予定
(発売日)株式会社NTTドコモ 「iD」
全国のコンビニやファーストフード、ショッピングセンターなど、様々なお店でご利用いただける後払い式電子マネー。12月対応予定 株式会社ジェーシービー 「QUICPay」
コンビニやガソリンスタンド、スーパーなどで使えるポストペイ型電子マネー。年度内対応予定 楽天Edy株式会社 「楽天Edy」
全国のコンビニやドラッグストア、スーパーなど約38万1,000箇所で使えるプリペイド型電子マネー。時期未定 株式会社ローソン 「ローソンモバイルPonta」
スマートフォンがPontaカードの代わりに。ローソン店頭やLoppiで利用できるポイントサービス。時期未定
・・・あれ?おサイフケータイと言えば一番に名前が挙がると言っても過言では無い「モバイルSuica」の名前がありませんね。あと、イオングループ系列のWAONも無い。nanacoも欲しいところ。加えて、一覧にあるサービスも全てが発売日から使えるわけではなく、順々に対応していくようです。ユーザーが順調に増えれば、モバイルSuicaも対応するかも?今後の開発に期待といったところでしょうか。
このケースを買ったら、おサイフケータイのフル機能が使えるようになるわけでは無いので、その点はご注意下さい。
バッテリーを充電する必要アリ、iPhone側のバッテリー消費もちょっと気になる
「おサイフケータイ ジャケット01」の基本仕様は下記の通りです。
- サイズ:高さ約86mm×幅約51mm×厚さ約4.2mm
- 重量:約22g
- バッテリ容量:150mAh
- 連続動作時間;約2.5カ月(1日のBluetooth接続通信時間が1分かつ、おサイフケータイの利用が10回の場合、同梱されるmicro USBケーブルによって充電。Bluetooth Low Energyに対応)
- 対応機種:iOS 7.1以上を搭載した「iPhone 6」、「iPhone 6 Plus」、「iPhone 5s」、「iPhone 5c」、「iPad Air」、「iPad mini Retinaディスプレイモデル」 (ドコモ以外のキャリアでも利用可能)
約2.5ヶ月と長めに使えますが、専用ケース側にも充電が必要なのは要注意ですね。うっかり充電し忘れて決済できなくなった...という問題になりかねません。あとはBluetoothをオンにする必要があるので、iPhone側のバッテリー消費も気になるところです。
Bluetooth Low Energy(BLE)って何だろう?と思い調べてみました。Bluetooth4.0の規格の一部で策定された拡張仕様の1つで、対応チップは従来の1/3程度の電力で動作することができるそう。本ケースの連続動作時間が比較的長いのも、この技術のおかげのようですね。
実はiPhoneをおサイフケータイ化する方法は以前からあった
あまり流行っていないので知っている人は少ないかもしれませんが、実はソフトバンクから「電子マネーシール」なるものが発売されており、このシールを使えばiPhoneをおサイフケータイ化することは以前から可能でした。
SoftBank SELECTION WAON用 電子マネーシール for iPhone 4
- 出版社/メーカー: SoftBank SELECTION
- メディア: エレクトロニクス
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SoftBank SELECTION nanaco用 電子マネーシール for iPhone 4
- 出版社/メーカー: SoftBank SELECTION
- メディア: エレクトロニクス
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但し、シールはEdy用、WAON用、nanaco用の3種類があり、使いたい決済毎に用意しなければなりません。また、シールと呼ぶには少し抵抗がある位に厚みがあります。加えて、企業によってはクレジットカードチャージ未対応など通常のおサイフケータイと比べると機能に制限があり、これらの理由から、あまり流行らなかった?のではないかと思います。今回のお財布ケータイジャケットも、通常のおサイフケータイと比較してできることに制限があるので、気をつけないと同じ道を歩んでしまいそうです。
あとがき @aiza_waiさんをフォロー
対応サービスが限定的なこともあって、流行るかどうか、正直ちょっと微妙なところでしょうか。これまでも、カードタイプの電子マネーをiPhoneで使うための専用ケースや、上述したシールタイプのおサイフケータイなどもありました。使ってもらうためには、それらとどう差別化できていて、どう便利なのかを分かりやすく発信していく必要がありそうです。