任天堂のAWS導入事例!アバターサービス・すれ違い通信に活用
AWS導入事例紹介ページに任天堂の事例が新記載されました!「ニンテンドー3DS」や「Wii U」のネットワークサービスでのAWS活用について解説されており、非常に興味深い内容になっています。
任天堂が提供する3DSやWii Uなどのネットワークサービスでは、下記のような課題を抱えていました。
- ソフトの発売直後やクリスマスなどにトラフィックが急増する
- 日本だけでなく世界のユーザーを考慮してシステムを構築する必要がある
そのため、オンプレミスでの運用はどうしても難しかったようです。
任天堂は2010年末、3DS発売に向けて初めてAWS導入を決定しました。実は結構前から、導入していたのですね。
初のAWSサービス利用となったのは3DS向けオンラインストレージ機能「DataStore」で、クラウドストレージサービス「Amazon S3」が使われました。スケーラビリティの高さと、保存したデータが厳重に保護されることが、採用の要因だったと説明しています。S3は「最大 99.999999999% の耐久性と 99.99% の可用性でデータを格納」が売りですので、この信頼性が決め手となったのでしょう。
このストレージ機能は現在、「マリオカート 7」「ポケットモンスターX・Y」など約40種類のソフトで利用されています。利用頻度の高いソフトでは、8000万件以上のデータが、90日間の保存期間中に登録されているそうです。AWSの活用により、DataStore機能への投資コストは、オンプレミスで行うケースで想定していた金額と比較してコストを10分の1程度に抑えられたとしています。
更に、2011年秋には、Wii U用のアバターネットワークサービス「Miiverse」プロジェクトが開始しました。この時は、世界と快適に繋がるという要件を満たすため、ワールドワイドのサービス網を持つAWSの採用が決まりました。
Miiverseプロジェクトでは、AWSに実績のある「はてな」に開発を委託し、両社のエンジニアがチームを組んで進めたそうです。
ここでは、バーチャルプライベートクラウド「Amazon VPC」を活用し、各地域をシームレスにVPN接続。現在では「Amazon EC2」のインスタンスを約1000台運用しているほか、Webサーバの負荷分散のためのロードバランサー「Elastic Load Balancing」を100以上運用中。そして、ユーザーデータ保存用に「Amazon S3」も利用しています。サーバやネットワーク、アプリケーションなど全て冗長化し、サービスの継続性も高度に確保できているそうです。
「Miiverse」については、システムアーキテクチャの概要全体図も公開されています。
また、2013年8月にリリースした「すれちがい通信中継所」のシステム構築にも、AWSが全面的に採用されています。このプロジェクトでは、データウェアハウスサービス「Amazon Redshift」をあわせて活用したことで、必要に応じてリソースを柔軟にスケールでき、分析側の作業にかかるコストが著しく抑えられたそうです。「Amazon Redshift」は超大規模なペタバイト級のデータを扱うためのデータウェアハウスサービスです。
ドット絵のマリオに魅了された頃が懐かしい任天堂ですが、ゲームの技術のみならず、現在ではインフラ基盤に非常に先進的な仕組みを取り入れており、学べる部分が非常に多いです。
AWSの任天堂紹介事例ページは下記となっています。より詳しい内容を知りたい方はチェックしてみてください。
導入事例: 任天堂株式会社 | アマゾン ウェブ サービス(AWS 日本語)